ヘアアイロン、コテの熱による髪ダメージを防ぐヘアケアの方法とは
毎日のスタイリングに、ストレートアイロンやコテが欠かせないという人も多いと思います。
でも熱を直接髪に当てていくヘアアイロンは、どうしても髪へのダメージが気になるもの。
ではどうやったらヘアアイロンのダメージを減らすことができるのでしょうか。
綺麗にスタイリングしながら、髪のダメージを少なくするにはどうしたらいいのでしょうか。
ヘアアイロンの名称と分類について
まず最初にヘアアイロンの分類なのですが、一般的にストレート用のヘアアイロンをストレートアイロン、カール用のヘアアイロンをコテと呼んでいます。
ストレートアイロンはトングのような形状で、熱くなったプレート2枚で髪を挟んでスタイリングを作るもの。
ストレートヘアだけでなくウェーブ、外ハネなどのスタイリングもできます。
コテは円柱型のプレートに髪を巻きつけて、巻き髪を作るのに使います。
プレートの円柱の太さが違うものがあり、ヘアスタイルや髪質などによって使い分けをします。
ちなみに使用する難易度としてはストレートアイロンの方が簡単で、コテは練習が必要で少し難易度高めです。
これからヘアアイロンのスタイリングに挑戦してみたいという方は、まずはストレートアイロンから使ってみるといいでしょう。
ストレートアイロンもコテも形は違いますが、熱くなったプレートの部分を髪に当ててスタイリングをするもので原理はふたつとも同じもの。
これから先はストレートアイロンとコテ、両方に共通する話ですので、ヘアアイロンと表記してお話を進めます。
ヘアアイロンによるダメージの原因
スタイリングにとても便利なヘアアイロン。
でも髪に直接熱を当てるヘアアイロンは、間違った使い方をしてしまうと髪に負担がかかりダメージを与えてしまうことに。
綺麗なスタイリングのために使うヘアアイロンで、なぜ髪が傷んでしまうのでしょうか。
熱によるタンパク質の熱変性
髪の多くはタンパク質でできています。
タンパク質は熱に弱く、熱を加えすぎると固まる性質があります。
生卵に熱を加えると固まるのもタンパク質の性質です。
これをタンパク質の熱変性といいます。
ヘアアイロンは髪に熱を加えて柔らかくしてスタイリングするものですが、熱を加えすぎると髪は熱変性を起こして硬くなります。
タンパク質が熱変性を起こした髪はキューティクルが剥がれやすくなり、枝毛切れ毛の原因に。
ドライヤーも熱をかけてスタイリングしますが、ドライヤーの場合は風の当て方を気をつければ熱が一点に加わるのを防ぐこともできます。
美容師さんがドライヤーをかける時、振りながらかけているのは熱が集中しすぎないようにするため。
熱いプレートを直接髪に当ててスタイリングするヘアアイロンは、ドライヤーよりも髪に負担をかけやすいということになります。
ヘアアイロンによる摩擦
ヘアアイロンの熱がかかることへのダメージに加えて、ヘアアイロンによる摩擦が髪へのダメージにつながります。
髪を巻いたり挟んだ後にヘアアイロン動かせば、多少なりとも摩擦は発生してしまいます。
特に癖っ毛の人はストレートにしたくてちょっと強く挟んだり、引っ張り気味にかけてしまうこともあるのではないでしょうか。
髪に摩擦が発生することでキューティクルが痛み、ダメージを受けてしまいます。
最終的にはタンパク質の熱変性の時と同じになりますが、髪に摩擦がかかることでもキューティクルがダメージを受けて髪が傷んでしまうのです。
ヘアアイロンで髪を傷めない方法
ヘアアイロンで髪を傷めないために、どういう使い方をしたらいいのでしょうか。
実際、ヘアアイロンを使用して髪へのダメージをゼロにするということは不可能です。
熱に弱いといわれるタンパク質にそれだけ高温をかけるということは、髪への影響を避けることはできないのです。
それでもヘアアイロンはとても便利なもの。
毎日のスタイリングに手放せないという方も多いと思います。
ではヘアアイロンを使いながら極力髪へのダメージを減らすにはどうしたらいいのでしょうか。
ヘアアイロン、高温で使うか低温で使うか
ヘアアイロンはどれくらいの温度で使用するか意識したことはありますか?
先ほど髪に熱をかけすぎるとタンパク変性を起こして髪が痛むというお話をしました。
そうなると低温でじっくりかければ大丈夫なのでは?と思うかもしれません。
ですがこれはNG。
確かに高温より低温の方が髪にとっては優しいです。
しかし低温ではクセをつけるのに時間がかかり、ヘアアイロンで何度も同じところを挟んでしまうため、かえって髪がダメージを受けてしまいます。
ヘアアイロンの温度は150℃前後で、かつ短時間で手早くスタイリングするのがポイント。
ただし髪が極端に傷んでいる人、元々髪質が細く猫っ毛の人は、髪の毛の高温への耐性が弱いと考えてください。
そのような方はヘアアイロンの設定温度は低温でスタイリングしましょう。
髪はしっかり乾かしてからヘアアイロンを使うこと
キューティクルは鱗状のものが重なったような構造をしていて、濡れると開いて柔らかくなります。
この髪が濡れた状態というのは、熱によるタンパク変性を起こしやすい状態。
乾いた状態だと130℃ほどで起きるタンパク変性が、濡れた状態だと60℃ほどで起こります。
また濡れた髪はキューティクルが開いていて柔らかい状態。
そこにヘアアイロンの熱が加わると髪内部の水分が蒸発し、髪の乾燥を招きます。
濡れた髪でヘアアイロンを使うというのは、とても髪が傷みやすいのです。
なのでヘアアイロンするときは髪はしっかり乾かすこと。
乾いた髪の方が熱を当てる時間も短くすむので、結果として髪に負担が少なくなるということにもなります。
摩擦が少ない、摩擦が起きない使い方をする
挟む力が強くなりすぎない、無理に引っ張らないなど、極力摩擦が起きないような使い方をしましょう。
またヘアアイロンを購入するときに、髪滑りのいい摩擦の起きにくい素材を選ぶこともひとつの方法です。
普段のヘアケアをしっかりと!保湿力のあるシャンプー・トリートメントを使いましょう
ヘアアイロンを使うにあたって、髪の内部にある水分、それを包むキューティクルを守ることが重要になります。
どうしてもヘアアイロンの熱による髪への負荷は避けられないもの。
ヘアアイロン使用時だけでなく、普段のヘアケアから見直すことも必要になります。
保湿力が高く髪の保護に優れたシャンプー・トリートメントを使用することによって、ヘアアイロンによる髪への影響を少なくすることが期待できます。
またヘアアイロン用のスタイリング剤もあります。
しかし熱によるダメージを防止するというよりは摩擦を軽減する、と考えた方が良いかもしれません。
髪を熱から守るというスタイリング剤でも、実際に高温のヘアアイロンが直接当たっている状態でタンパク質の熱変性を食い止めることができるとは考えづらいです。
またスタイリング剤の水分で髪が湿ってしまうと髪が濡れた状態で熱を当てるのと同じことになってしまうので、スタイリング剤をつけた時も一度乾かしてからヘアアイロンを当てましょう。
ヘアアイロンを使う時のポイントは『温度』『髪の状態』『摩擦』、そして『キューティクルをいかに守るか』
ヘアアイロンを使用するときはまず『適切な設定温度』『乾いた髪に使用する』『摩擦をかけない』この3つに気をつけましょう。
そして熱に弱いキューティクルをいかに守るかがポイント。
ヘアアイロンを使うとき以外の日常でのヘアケアも大事になってきます。
キューティクルを守るためにはまず保湿。
高保湿のヘアケア製品を使ったり、キューティクルを傷めるようなことは避け、普段から髪を労るようにケアすることが重要です。